シェアサロンThe Vase-hair design lab-(ザ ヴァーズ ヘアデザインラボ)が今日で2周年を迎える事が出来ました!のでこの店を作った理由と思いを改めて説明致します。
まず基本給も福利厚生もあげずに歩合ハネてるただの面貸しか業務委託でしょ?っとしか思考が回らないバブリーな脳ミソをお持ちの方はこの後の文章も理解不能だと思いますのであしからず。
2~30年前くらいから美容業界全体の流れとして株式会社にして初任給が高く保障をたくさん与えるのが良い美容室、箱がデカくスタッフを多く抱えてるのが良い美容室、という個人より会社制度こそが優れてる的な流れがありその結果、技術や仕事そのものに対しての探究心やハングリー精神を削がれた美容師が大量生産されている事。
手を伸ばせない人間に受け皿を用意するという事は当然伸ばせる人間を評価し辛くなる。
別にスタイリストになれなくてもいいです、とか言ってるアシスタントが居る始末。
そんな気持ちで大事な髪を触られてるお客様の身にもなって下さい。所詮、数名程度の美容室会社に入ったところで一生安泰では無いのでさっさともっと大きな組織に属した方が身の為です。大手メーカーやマスメディアだって今後どうなるか分からない時代ですが。
決して会社員が悪いと言っている訳ではありません、【師】が付く仕事なのにマインドが会社員?という点です。
むしろ一般企業の中でのし上がる為に日々努力している人の方が向上心の無い美容師よりよっぽど仕事師です。
僕からするとタトゥが入ってようが見た目が派手だろうが美容の仕事が好きで向上心のある美容師は真面目で、向上心のない美容師が不良です。
今、様々な業種で看板よりも個人の時代にシフトして来ました。
僕が見習いの頃は美容師として有名になる為には雑誌やテレビに出る様なサロンに入るの事が必須でした、もっと言うと有名店に入るにはそことパイプで繋がってる都会の有名美容学校に行かなければ地方の美容学生には都会の有名店に入る挑戦権すら与えられませんでした。
ですので実家の太くない僕は宮崎から学びの場を一気に海外に移すという決断を取りました。
決して有名になる事が優れてると言っている訳ではありませんし、美容師の仕事はひたすらお客様を満足させる事、それ以上でもそれ以下でもありません。
ただ現在、皆が自分の活動を知らせられる武器を手にしたという事は事実です。
以前までは店が雑誌等に掲載する必要がありましたが、全員が個人で手を挙げる権利を手にしたという事です。今日も芸能人と一般人が同じ土俵で戦ってます。
今まで埋もれていた地方の化け物達にも公平にチャンスが与えられ、会社制度の見せかけだけの平等では無く本当の意味での公平になったのです。
僕も9年前に帰国を余儀なくされた時東京を選ばず宮崎を選んだ理由は「ネットがあれば自分のやってる活動をある程度世界に発信出来る」という点が大きかったと思います。
この文章を読んで頂いてる以上は必ず僕の行っているどこかのデジタル土俵の上です。
店に属さずに生計を立てる美容師、フリーランスアシスタント等の型に捉われない様々な働き方が生まれています。週に2日しかサロンに立たず自分アイデアを駆使し月収100万円超の20代前半の美容師も居ます。
収入が全てでは有りませんが、美容師にとって給料は通知表、努力した結果の評価を等価で返すべきです。逆に薄給長時間労働が定説の美容師の仕事、しかもこの県は日本で2番目に最低賃金が低い。その中で保障を貰いながら年収800万を超えれる可能性がある仕組みの美容室があるのなら教えて下さい。僕が履歴書出したいくらいです。
デジタルのアウトプットの事を言っていますが、実際は美容師ほどアナログで人に付く仕事は無いと言っても過言では無いほど人間味溢れる仕事です。技術、人間性でお客様が選んでくれます。
アナログが出来てないと、いくらデジタルで誤魔化した所ですぐメッキが剥がれます。デジタルだけでは何も生めません、アナログが1番大事です。
トップダウンでは無く出来るだけ対等な立場で働き、ここで働く皆が後にどういう城を築くのか見てみたい、僕はただそのリハーサルの場所を作ってるに過ぎない。
僕はお客様も美容師も囲う様なスタイルは好きではありません。一生同じ美容室に通う人も、オープンから同じ人達だけで何十年も続く美容室もありません。
今日ここに居るスタイリストもいつか各々の城を持ち、本当に対等な立場になった先でビジネスパートナーになるなどまた楽しみが待っていると期待してます。
皆がおじさんおばさん美容師になった時に過去を振り返り、あの時あの場所に出会えて、あの人と一緒に働いて良かったと思ってもらえる場所と人間でありたい。
我々は、空間、技術、感性、アイデアは日々シェアしておりますが、お客様に直接触れる仕事は縦割り化して全くシェアしないので啀み合いが起きず皆仲良いです。
大きな小人では無く、小さな巨人の時代が来ました。加速するデジタル化と共に若き日を生きたミレニアル世代(Y世代)と、デジタルネイティヴZ世代に向けた職場作りを今後もして行きますので宜しくお願い致します。