New weapons have arrived.
ずっと探してた、こういうクラシックな鋏。刃角が寝てて刃先が鋭く尖った厚みの無いナイフの様な切り心地。刈り上げや前髪を1本1ミリ単位で切って行く時に意のままに操れる。
道具は常に自分の技術レベルに合ったものが必要とされる。1年目の僕に今の鋏を全て使いこなすのは不可能でしょうが、僕は現在九丁の鋏を使い分けて仕事をしています。それら全てに役割があり用途は様々です。
道具を大切にしなかったりこだわりの無い美容師も多く存在するとは思いますが、今の僕にとってはこの九丁全てが必要です。
数を多く持てば良いという訳ではなく、自分の道具の特性を理解し、使いこなす目と手と心を自分で育て、そして更なる技術の向上に向かう。
美容師理容師にとっての鋏は、画家の筆、彫刻家の鑿や彫刻刀、料理人の包丁と同じです。
道具へのこだわりが、分かりやすくお客様に伝わる事は無いかもしれませんが、無意識レベルでの差を生むのは必然。髪型の再現性や持続性は自分に合った良質な道具を使ってからこそ求めるものが作れるのだと思います。
とは言いつつ、[弘法筆を選ばず]、には賛成です。僕も鋏一丁で髪型作れと言われれば可能ですが、弘法大師の持つ技術を全て出し切るのに筆の選択肢多いに越した事はないと思うのが技術者としての見方です。
決して良い道具を使えば上手くなるのでは無く、技術の伸びに合わせて必要な道具が変わっていく、そして大切に扱ってれば一生使え続けれて次第に数が増えていく。僕は見習いの時に買ったその時の自分の給料よりも高い鋏を、今も毎日使っています。何故なら僕の中でのその鋏の味が年々変わって行くからです。